一見特に傷んだ様子は分かり難いですが…
老朽した貯水槽設備の補修
暫く休止していたビルの高架水槽ですが、何年か振りに使い始めたところ、蛇口から藻のような物が出て来たとの事で、調査の為梯子を掛けて見てみますと、マンホールが飛んで無くなり、水槽の中には厚い厚い藻がびっしりと生えていました。飲用として不適なのは勿論、給水管に入ると、管やストレーナーの閉塞を招きます。この一体型高架水槽は、塗装が薄くなると槽内に光が入り塩素(CL)が無くなり易く、藻が生えて来ます。FRP事態は密度が高く、厚さの割に劣化し難いですが、塗装劣化の状態が長期に渡るとFRPが劣化して来ます。
藻が生えた高架水槽
清掃前
藻は、紫外線の強い温かい季節に成長し、紫外線の弱い寒い冬が来ると弱って剥離して来る事が多いようです。
藻が生えた高架水槽
清掃後
次亜塩素酸ナトリウムで消毒しましたので、衛生的になりました。
高架水槽内に藻が生えないよう、紫外線遮断塗料を塗ります。
まず、水槽内のゴミが入らないよう、マンホールに養生をします。
続いてオービタルサンダーを使って、劣化した塗料を剥離します。ペーパーは、240番〜400番程度を使用します。
役物や端っこの機械で難い所は、手作業でペーパー掛けします。
硬絞りの雑巾で埃を取り、乾かします。
1回目塗装
紫外線を通さない黒色を塗ります。
使用しているのは、貯水槽専用2液性塗料です。
2回目塗装
共色です。
3回目塗装
もう藻が生える事は無いでしょう。
飛んで無くなっていたマンホールの蓋作り
汎用のマンホールをグラインダーでカット
蓋の取付け穴開け
充電ドライバドリルに10㎜のキリで簡単に開きます。
蓋取付けのボルト作りは、SUSの寸切りをグラインダーでカット
この蓋の取付け方で注意が必要な所は、水槽内に埃が入らないように注意する事と、この写真のようにボルトをキツく取り付けない事、水槽の多くは上部に勾配が有りますから、キツくボルトを取り付けてしまうと、ボルトが外側に添って蓋の穴に合わなくなってしまいます。
マンホールの蓋にも黒色の塗料を塗ります。
水槽本体と別々に塗ったのは、本体のマンホールの立上げまで塗る為です。
共色を2度塗って取付けしました。